77歳の年寄りの身には多少堪えたが、何とか歩いていくと、暫くして着いたそこは案の定、崩太さんの蕎麦屋だった。
 これまで、俺の紡いできた「俺」達が店内で一同に介している。
 そうして、店に入って来た俺に開口一番、剣聖が問い質す。
 「俺は結局どういう出汁を取れば良かったのかね。結局「一杯のかけそば」のリスペクトぐらいしかしてない気がするが」
 「俺にも判らない、結局只の茶番だったのかもしれない」
 「そう云うもんかね。俺は納得いかんのだが」
 「そうですよっ!俺なんて《マリーシの双子爪/Marisi’s Twinclaws》先生のところでようやっと弁も立ってきたと云うのにっ!」
 編集者のかわうそが怒鳴り散らす。
 「俺にも判らない、結局只の茶番だったのかもしれない」
 「そんな事云うなら俺だって世間体や台風やら普通の蕎麦の台抜き頼む若者とか味付け海苔を勧める奴、碌な連中が来ませんでしたよ!」
 そう普段、温厚な崩太さんが怒声をあげる。
 「俺にも判らない、結局只の茶番だったのかもしれない」 
 「崩太さんなんか、まだ良いですよ。俺なんて登場したと思ったら記憶が無くなって、意味不明ですよ」
 と崩太さんの店の常連である新聞記者の逆くんが割り込んでくる。
 「俺にも判らない、結局只の茶番だったのかもしれない」
 「そんな事云ったら、俺なんて大概コメントの引用ですよ、どうなってるんですか」
 くりすさんがそう云うのも尤もだ。 
 「俺にも判らない、結局只の茶番だったのかもしれない」
 「茶番茶番ってそれだけ云ってれば良い出汁だったと思うんですかっ!俺は結局何処に出汁を持って行けば良かったんですか」
 と壱@HAMA研がずばり確信を突いてきた。
 「俺にも判らない、結局只の茶番だったのかもしれない」
 「だからぁ、何でいつの間にやらダーリー@HAMA研と一緒に出汁ドラフトとか訳の判らないものをやりに行くんですが」
 「俺にも判らない、結局只の茶番だったのかもしれない」
 お、自分の名前が出たとダーリー@HAMA研が切り出す。
 「結局のところ、何にも考えてなかったんでしょう?」
 「俺にも判らない、結局只の茶番だったのかもしれない」
 正直厳しいなと思っていると、そこに追い討ちをかけるように竹@よせあつめさんが呟く。
 「詰まるところ、悪の出汁機関って何なんですか?」
 「俺にも判らない、結局只の茶番だったのかもしれない」
 「これじゃあ総統閣下@よせあつめさんの立場がないですよね」
 不満の爆発は更に続く。そこに、主水@HAMA研が俺に断言する。
 「ぶっちゃけ、面倒くさいんでしょう。余りにも適当過ぎる上に自由過ぎます」
 す、鋭すぎる。思わず惚れてしまいそうだ。
 「俺にも判らない、結局只の茶番だったのかもしれない」
 そう答えるのがやっとだった。
 周りの俺や俺やら俺の執拗な追求に、結局のところ、誰が一体俺なんだと、俺の精神が崩壊寸前になってしまう。
 
 以下次回。

●今日のけんつよ話

 「出汁を巡る冒険」の前回のエントリを一部修正。折角の出汁が活かされてないので。

 昨日、遅くに帰ってきて、日記アップして、とりあえず一服したら「孤独のグルメ」読みつつ寝るかなってテレビつけたら井上陽水の特集番組やってて、思わずかぶりつきで観る。
 しっかもエピソードとして「自分に影響を与えた作家ベスト3」に入るであろう、色川武大(阿佐田哲也)御大のVTRが。
 ああ、まだまだ生きていて欲しい作家さんだったなあと思いつつ、結局朝方まで起きていまして、もう眠い眠い眠いですよ。
 でも今日は「タモリ倶楽部」観たいので、もう少し起きていたいところ。

●今日のフルコモンスタンダード徹底分析話

 来たる3月14日に我が愛してやまないCANくん主催のフルコモンスタンダードの大会があるので、大会までの間、けんつよなりに色々考えている事をつらつらと書いていこうかと(因みにけんつよは諸事情により、参加出来るかはかなり微妙です)。
 流石にサンプルデッキとかまで紹介してしまうと皆さんの楽しみを奪ってしまう為、あくまで構築のちょっとしたヒントになればぐらいの感じで。

 まず普通のスタンダードと違う点として、各種プレインズウォーカーや《審判の日/Day of Judgment》、《残酷な根本原理/Cruel Ultimatum》のような、強力なアドヴァンテージカードの欠如。
 次に《悪斬の天使/Baneslayer Angel》や《ジュワー島のスフィンクス/Sphinx of Jwar Isle》、《若き群れのドラゴン/Broodmate Dragon》のようなカード1枚で場を掌握するクリーチャーが居ない事。
 そして、一番考えなければならない点は、マナ基盤の脆弱性ではないかと。
 つまりはタップイン3色地形(《秘儀の聖域/Arcane Sanctum》等)、M10ランド(《氷河の城砦/Glacial Fortress》等)、対抗色フェッチランド(《湿地の干潟/Marsh Flats》等)、ミシュラ地形(《天界の列柱/Celestial Colonnade》等)が存在しない為、安定したマナ基盤を構築するのが難しい訳ですね。
 とは云え、現在のコモンカードのラインナップを見た第一印象では、赤単またはそれに順ずるデッキを除いては、正直単色は厳しく、多色化をしなければいけないでしょう。
 そう云う事でまずは、コモン環境でのマナベース関連のカードを見ていきたいと思います。

 ※色マナ補正

 全景サイクル(《エスパーの全景/Esper Panorama》等、一応マナが出る為、マナ基盤が問題ないならそのままテンポを保てる点で優れている)
 《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse》(1ターン遅れるが、どの基本地形も持ってこられるので運用やマナ補正が楽)
 《断ち割る尖塔/Rupture Spire》(大きくテンポを失うが、どの色も出る為、多色化した遅めのデッキには最適)
 基本地形サイクリングサイクル(《抵抗の微光/Gleam of Resistance》等、後半に腐りにくい点が利点)
 《国境地帯のレインジャー/Borderland Ranger》(自身が2/2のクリーチャーなので、ハンドアドヴァンテージを得られる)
 友好2色地形サイクリングクリーチャーサイクル(《聖域の耕し獣/Sanctum Plowbeast》等、これも後半腐りにくい)
 《巡礼者の目/Pilgrim’s Eye》(どの色にも投入可能なアーティファクトクリーチャー、《国境地帯のレインジャー/Borderland Ranger》同様、ハンドアドヴァンテージを得られる)
 境界石サイクル(《原霧の境界石/Fieldmist Borderpost》等、因みに上陸との相性が良い)
 《天球儀/Armillary Sphere》(2枚基本地形を持ってこられる為、ハンドアドヴァンテージにもなる)
 
 ※マナ加速

 《コーの地図作り/Kor Cartographer》(やや重く、持ってこれるのは《平地/Plains》限定だが、カードカウント的にロスはない)
 《東屋のエルフ/Arbor Elf》(《森/Forest》がある前提だが、殆どが基本地形が中心になると思われるので運用に問題はないと思います)
 《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》(定番のマナ加速クリーチャー。《東屋のエルフ/Arbor Elf》同様、除去られると厳しいが、後半はチャンプブロッカにもなるので選択の余地はある)
 《ヴァレロンに仕える者/Steward of Valeron》(マルチカラーの為、デッキを選ぶがマナ加速しつつアタックにも行ける優良クリーチャー)
 《不屈の自然/Rampant Growth》(これも定番のマナ加速、色マナ補正にもなる)
 《カルニの心臓の探検/Khalni Heart Expedition》(マナ加速、カードカウント上的には問題ないが、早めに出せればかなり強いが、後半に引くと厳しい為、デッキを選ぶかと思われる)
 《砕土/Harrow》(インスタントタイミングのマナ加速、アンタップで戦場に出るため、比較的展開を阻害しない)
 《豊穣の痕跡/Trace of Abundance》(色拘束はあるが、多色化しているデッキには良いカードかも)

 ※擬似マナ補正、加速

 《宝物探し/Treasure Hunt》(噛み合えば、追加の土地を手に入れられる意味でマナ補正になるかと。最悪、ライブラリーの一番上の1枚の呪文が手札に入る為、次の土地のドローへの可能性は高くなる)
 《広がりゆく海/Spreading Seas》(基本的にこのカードは相手のマナ基盤を崩す為に投入しますが、自分の土地につけてもキャントリップなので問題は無い)
 《見紛う蜃気楼/Convincing Mirage》(このカードも《広がりゆく海/Spreading Seas》同様なカードな上、カードカウント的に微妙ですが、これはどの基本地形にも化けられる、まあ微妙)
 《不気味な発見/Grim Discovery》(《エスパーの全景/Esper Panorama》等と組み合わせれば、マナ補正が楽に。無論カードカウント面で得をする可能性がある点も優秀)
 《探検/Explore》(このカード自体がマナ加速に確実に繋がる訳では無いが、キャントリップなので、いつ引いても問題が無い)
 《歩く大地図/Walking Atlas》(土地を持ってれば、早めに高コストの呪文のプレイに辿り着ける。上陸と相性良し)
 《開拓者の望遠鏡/Explorer’s Scope》(条件は限定されるが、上陸との相性良し)

 意外にもマナと云えばこの色の緑だけでは無く、どんな色でもマナベースの安定自体は可能なのが伺える。
 しかし、《湿地の干潟/Marsh Flats》のような、戦場にアンタップ状態で出る土地を持ってくるカードが少なく、プレイにマナが必要なものが大半な為、普通のスタンダードに比べて環境は減速する可能性も否めない。
 繰り返しになるが、何れにせよ、赤単色系以外のデッキは2色以上の多色化を余儀なくされるので、
 充分にデッキのマナベースについて検討に検討を重ねることが必要になるのは間違いない。
 ああ、書き漏らしたカードとかもあるかもしれませんので、それはドンマイと云う事でひとつ。

 ついでに特殊地形についても言及しておきます。
 ゼンディカーとワールドウェイクのコモンサイクルの土地は大体どれも強く、スロットに空きがあるなら数枚は投入の余地がある。
 特に《ハリマーの深み/Halimar Depths》は強力なので、一考に値するかと。
 それと《流砂/Quicksand》についてですが、環境に緑系がいると判断且つ、除去に困っているなら、1、2枚は検討してもいいかもしれません。
 
 ・・・などと、偉そうに能書き垂れてみましたが、「折角のフルコモンスタンダードなんだから気軽に出れば良いじゃない」とも思うのもまた一理ありますね。
 まあ、次回はもうちょっと具体的なアーキタイプについて考えてみたいと思います。それでは。

コメント

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索