しかし何とか精神崩壊するところをぎりぎりで踏ん張って俺は皆にこう釈明する。
 「しょうがないじゃないか。元々これくらいの長さで収束する筈だったんだから」
 「ふざけんなよ。だからって全部の伏線ほったらかしでトンズラする気かよ」
 一同が出汁を合わせる。
 内心では、「いやいやいや。元々色々と茶化しつつ出汁の中で遊ぶ事だけが俺のやるべき事だし」とは思ったが、
 「だからこうして全ての境界を崩して最後の出汁を取りにやって来たんじゃないか」
 「それじゃあ、どうやってこの「出汁を巡る冒険」の始末をつけるつもりなんだ」
 けんつよが真剣な目で俺に尋ねると皆が一斉に俺を睨みつける。
 俺は暫くの間を置いて、こう答える。 
 「それはだな・・・」 
  
 以下次回。

●今日の「出汁を巡る冒険」話

 愈々、次回をもって「出汁を巡る冒険」も最終回を迎えます。
 色々思うことはありますが、それは明日にでも。
 良かったら明日もまた覗きに来てください。

●今日のけんつよ話

 眠る眠る~♪(「すばらしい日々」ユニコーン)な一日でしたけんつよです。
 あんまり寝すぎて逆にフラフラするぐらいですわ。
 そんな訳で今日は大会にも行かず、いや行けずにゴロゴロしておりました。
 しっかしジャンドがかなりいたと云う情報なので、ニッサフレアなんかで出撃してたら大惨事でしたね。
 まあ、それはそれで面白いんですが。
 次の機会を楽しみにしておきましょう。

●今日のフルコモンスタンダード徹底分析話・その2

←壱@HAMA研さんのところでも攻略記事があるので、そっちの方がよっぽど役に立ちます。
 さてさて、こちらでは、今回はようやっと具体的な環境を支配するであろうカード群について。

 ※各種《~の異国者/~Outlander》サイクル(《ヴィダルケンの異国者/Vedalken Outlander》等)
 普通のスタンダードでは見向きもされない、このカード達の存在が、各単色デッキの構築を難しくさせています。
 例えば《ヴァレロンの異国者/Valeron Outlander》に《野蛮な影法師/Savage Silhouette》がエンチャントされた場合、黒単色では対処できない脅威となります。
 例えメインに《~の異国者/~Outlander》が投入されていなくとしても、対戦はサイド後の方が多い訳ですから、メタられた場合、これらのカードを無視することはできないかと思われます。

 ※《焼尽の猛火/Searing Blaze》
 そんな中、前回から述べている様に、単色デッキで唯一例外だとしているのが赤単色。
 理由としては、基本的にバーン寄りの構成になると予想されるので、そもそものコンセプトとして軸が違うと云う点。
 しかし、どうしても除去しなければいけないクリーチャーもいるため、それらを除去しつつ、プレイヤにダメージを与えられるこのカードは強力です。
 因みにバーンにするにも、純粋な赤単にすれば《地鳴りの一撃/Seismic Strike》や《尖塔の連射/Spire Barrage》等が取ることができ、赤タッチ黒なら《荒廃稲妻/Blightning》や《マルフェゴールの息/Breath of Malfegor》等が取れます。  

 ※《終止/Terminate》
 そう云った赤黒系デッキとしては単体最強除去が《終止/Terminate》。
 問答無用の除去なので、バーンデッキよりはアグロデッキでブロッカを排除するために使いたいところ。
 マルチカラーなので《ヴィダルケンの異国者/Vedalken Outlander》と《ヴァレロンの異国者/Valeron Outlander》に効かないのはご愛嬌。

 ※《巨森の蔦/Vines of Vastwood》
 何れにせよ環境に除去が溢れているのは目に見えているのだが、実は全体除去が《地鳴りの揺るぎ/Seismic Shudder》ぐらいしかないっぽい(自信がないのが、碌に調べもしない、けんつよの適当なところ)。
 そこで登場するのが《巨森の蔦/Vines of Vastwood》。
 緑系のクリーチャーデッキならどんなデッキにも投入出来る上、実は1マナの《妨げる光/Hindering Light》。
 キッカーを払えば、普通に《巨大化/Giant Growth》としても機能。
 緑系のデッキと当たった際は常に考慮する必要があります。

 ※《忘却の輪/Oblivion Ring》
 プロテクション(白)を持つ、《ゴブリンの異国者/Goblin Outlander》と土地を除き、全てのパーマネントを除去できる、強力カード。
 これらの他にも白には追放系のカードが多く、《未達への旅/Journey to Nowhere》、《イオナの裁き/Iona’s Judgment》、《圧倒する静寂/Resounding Silence》等があります。
 どんな大きなクリーチャーでも問題なく対処できるため、アグロデッキにせよコントロールデッキにせよ強力だと云えるでしょう。

 ※《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》
 そんな《忘却の輪/Oblivion Ring》に対して、メインから問題なく投入できるカードがこれ。
 2マナ2/2の賛美持ちに《帰化/Naturalize》が内臓されているのですから、弱い訳がなく。
 様々な《帰化/Naturalize》系呪文の中、白緑をベースにしたデッキなら充分その居場所はあるかと。

 ※《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》
 さて、同じ2マナ2/2クリーチャーですが、こちらはそのプレッシャーの大きさが売り。
 通常のスタンダードでその強さは充分に証明されているので、可能ならば投入したいところ。
 《終止/Terminate》や《忘却の輪/Oblivion Ring》等の除去を持たなければ、クリーチャー同士で相討ちするのが困難なクリーチャーです。

 ※《深遠の謎/Mysteries of the Deep》
 状況限定で5マナ呪文とは云え、コモンで3枚のカードが引けると云うまさに謎のカード。
 《焼尽の猛火/Searing Blaze》の欄で赤バーンについて言及しましたが、バーンデッキにとっての負けパターンの多くが息切れ。
 そんな中、青のドロー強化と打ち消し呪文を赤の火力を組み合わせる選択肢はかなり有力だと思われます。
 シングルシンボルなので、あらゆる青系デッキに投入可能なのも魅力。

 ※《取り消し/Cancel》
 打ち消し呪文の鉄則として、「こちらが支払うコストに対して見合うカードを打ち消す」ことに価値があると思っているのですが(かつての《対抗呪文/Counterspell》や《呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite》が強かったのはその辺りでは無いかと)、通常のスタンダードでは1対1で凌いでゆくには厳しい呪文が立て続けにプレイされるので、《取り消し/Cancel》が使われる機会が少なかった(最近のコントロールでは採用されることもあるようですが)と思います。
 さて、フルコモン環境では、このカードはどうなのでしょうか。
 個人的には悪くないと思います。
 多くのデッキが減速を余儀なくされている上、比較的貧弱なドローソースしか無い青(《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》とかいないですからね)でも、《予言/Divination》や《深遠の謎/Mysteries of the Deep》でバックアップすれば、充分《取り消し/Cancel》が間に合い、次へ繋ぐことができるのではないかと。
 デッキ構築にもよりますし、打ち消し呪文も限定的なものが殆どですが、そこは腕の見せどころです。

 ※《兵員への参加/Join the Ranks》
 恐らく誰もが一度は検討するであろう同盟者デッキで最重要なカード。
 同盟者の能力を2回トリガーするため、《オラン=リーフの生き残り/Oran-Rief Survivalist》や《アクームの戦歌い/Akoum Battlesinger》が強力に機能する上、インスタントなのでコンバットトリックとしても有効だ。
 また《ハリマーの採掘者/Halimar Excavator》がいる状況でプレイすると結構気持ち良かったりする。
 因みに密かに兵士でもあるので、《古参兵の剣鍛冶/Veteran Swordsmith》等とも相性が良い。

 ※《ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx》
 こちらも誰もが検討する上陸デッキの中核をなすクリーチャー。
 だが、個人的にはスタンダードの上陸デッキをそのままマイナーチューンするのはお勧めしません。
 無論、完全に否定する訳では有りませんが、同じフェッチとは云え、対抗色フェッチと3色フェッチではその速度にあまりに差が有る上、肝心の《イーオスのレインジャー/Ranger of Eos》がいないからです。
 《帆凧の弟子/Kitesail Apprentice》や《冒険者の装具/Adventuring Gear》辺りと組み合わせて、無難に白系の1マナ圏クリーチャーとして考えた方が良いかと。 

 ※《ヴィティアのとげ刺し/Vithian Stinger》
 ティム。ようするに1点砲台。確かに《狡猾な火花魔道士/Cunning Sparkmage》程強い訳では無いし、《バジリスクの首輪/Basilisk Collar》も存在しないが、それでも環境のタフネス1の存在、つまりは上陸デッキ対策として有力。
 因みに《地鳴りの揺るぎ/Seismic Shudder》も悪くないのだが、他のマッチアップでも腐らないと云う点でこちらを推したい。
 実はこの環境の有力キーワード能力である蘇生持ちなのも見逃せない。 

 ※《臓物を引きずる者/Viscera Dragger》
 続いて蘇生持ちクリーチャーの登場である。普通にプレイしても《丘巨人/Hill Giant》である上一度除去されても蘇生し、序盤はサイクリングしておいて、中盤に3/3の速攻クリーチャーを突っ込ませると云うことも可能だ。
 黒絡みの所謂グリクシス(青黒赤)のキーワード能力である蘇生はもしも黒を中心としたデッキを組むのならば、一考の余地があるかもしれません。

 ※《捕らえられた陽光/Captured Sunlight》
 さて、この環境は如何にしてアドヴァンテージを得るかと云う点に尽きると話をしていますが、続唱と云う能力はまさにそれを体現している。
 このカードは一見地味だが、実際は只で4ライフを得ている。
 赤単色のバーンを意識する上で、かなり優秀なカードではないでしょうか。
 《陽の泉の探検/Sunspring Expedition》のようなライフゲインカードは割と存在する。
 赤単色に対して数点上乗せされたライフアドヴァンテージはどれくらいの痛手なのか。
 結局はメタゲームの話に収束していくのだが、この未知の環境でこのカードを採用するかどうかと云うことを考えてゆくのが、まずは必要なのではないかと。
 蛇足だが《悪魔の戦慄/Demonic Dread》の様な途轍もなく微妙なカードでさえ、まずは試して気持ちが大事ですね。

 ※《広がりゆく海/Spreading Seas》
 前回のエントリで「何はともあれマナ基盤から」と書きましたが、逆にそれを機能不全状態にすれば、無論勝率はあがる訳で。
 土地に干渉する呪文は意外と多いですが、一番メインに入れても問題無いのがこのカードではないかと。
 それを推す一番の理由はやはり「カードを1枚引く」点です。
 例えば、多色デッキに《破砕/Demolish》は4ターン目でも効くかもしれませんが、赤単相手に《山/Mountain》がひとつ破壊されたからと云ってどうしようもないですよね。
 《広がりゆく海/Spreading Seas》はそう云った点で「2ターン目に」、「色マナトラブルを起こさせ」、「例えいつ引いても1枚はカードが引ける」のです。
 メタゲーム次第ではサイドから《見紛う蜃気楼/Convincing Mirage》、《破砕/Demolish》を組み合わせることで面白いデッキ構築ができるかもしれません。
  
 …とまあ、今日も今日とて無駄にカードを紹介しましたが、皆さんの構築の一助となれば幸いです。
 明日は「出汁を巡る冒険」の最終回なので、徹底分析はお休みです。

 それでは今日のところはお休みなさい。

コメント

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索