この作品は一部、現実の人物・団体・事象をモデルにしておりますが、あくまでフィクションであり、作者による事実と異なる大幅な脚色、また意図的な事象の取捨選択及び時間軸の操作、改編がされております。つきましてはそれを踏まえたうえでお読み下さい。

 かつて私が《泥棒カササギ/Thieving Magpie》だった頃の話をしよう。
 悪名高いプレインズウォーカーである、ウルザの最後の運命として命を与えられた私は《飛翔艦ウェザーライト/Skyship Weatherlight》がメルカディアに墜落して暫くすると、《マスティコア/Masticore》と云う名の猛獣への餌となる贄を探すために大空を舞い続け、沢山の宝物を齎した。
 次々に宝物が奪われていくのを許せない多くのプレインズウォーカーたちが私の命を奪わんとしたが、私を飼い慣らした者たちはそれを《妨害/Thwart》し続けた。
 私が大空を舞い続ける限り、溢れんばかりの冨を与えたからだ。
 そもそも元を辿れば、私の前世は蛇だった。だが、その《知恵の蛇/Ophidian》と云う名の蛇たちと違い、私は大空を飛ぶ術を知っていたし、敵にかすり傷を負わせることもできた。
 その環境にいる間は、私を愛するもののために羽ばたきながら、様々な宝を探し続けた。
 そうして生を受けて長い間、飛び続けた後、私は一度彼方へと旅立つ。
 私がいない間には《ヒストロドン/Hystrodon》と云う私の偽者が青い翼を持たず、緑色の衣装でその身体を包んで現われはしたが、誰も相手にしなかった。
 それから暫くして、私がもう一度この場所に戻ってきた頃には、銀色の人工物が《頭蓋骨絞め/Skullclamp》と云う拘束具に縛られながら、己の身を宝石に代えてゆく世界になっていた。
 しかし、その拘束具がこの世界であまりにも危険なため《根絶/Extirpate》されると、私は《尖塔のゴーレム/Spire Golem》や《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》たちと一緒にもう一度大空を舞った。
 だが、幾千もの《宝物探し/Treasure Hunt》も終わりを迎えるときが来た。
 私はもうその翼が動かないことに気がついたのだ。
 長い間封印されていた氷河の時代から、新たな《オーランのバイパー/Ohran Viper》と云う名の猛毒を持った蛇が世界に現れたのもその一因かもしれない。
 やがて時代が変わり、私が再び彼方へと旅立つときが来たとき、見送るものはもう誰一人いなかった。
 今の私は遠い世界で傷ついた翼を庇いながら、籠の中でひっそりと生きている。
 これが私が《泥棒カササギ/Thieving Magpie》だった頃の全てだ。

 以下次回。

●今日のけんつよ話

 公私共に忙しくしておりますが、昨日のエントリで云ったからには仕方が無いので、ちょうど新年度でキリの良い今日から見切り発車で新しい連載を開始しました。
 今回の分だけ読むと、かなり痛いこと請け合いな連載ですが、毎回この調子では有りませんので、暫しお付き合いください(まあ、どっちにしてもアレな感じにはなると思いますが)。
 ああ、それと「不定期連載」ですので、その辺もご勘弁を。何せ一応プロットは立てたものの、例によってストックが無いので。

 さて、肝心の自分のMTGライフですが、明日は多分暇なのでFNMに参加出来そうです。
 尤も先立つデッキが無いのですが。
 何とか今からちょっと頑張ってみよう。そうしよう。
 無理だったら、適当なので良いや。
 なんだかんだ云ったって、MTGは遊びだからね。
 楽しく遊べればそれで良いかと(けんつよはとっくにカジュアルプレイヤとして接しております)。

 それでは今日はこの辺で。

コメント

くりす
2010年4月1日22:01

《泥棒カササギ》…
いい相棒だったよ…《ジェイス・ベレレン》が出るまでは…

けんつよ
2010年4月2日22:54

けんつよは《泥棒カササギ/Thieving Magpie》で結構な枚数ドローしたので、思い入れも強いですね。まあ、だから冒頭に持ってきたんですが。
しっかし、《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》も良い奴ですが《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》は良さ過ぎてどうしようも無いくらい悪ですな。

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