この作品は一部、現実の人物・団体・事象をモデルにしておりますが、あくまでフィクションであり、作者による事実と異なる大幅な脚色、また意図的な事象の取捨選択及び時間軸の操作、改編がされております。つきましてはそれを踏まえたうえでお読み下さい。

 私が暫くして再び地元に戻ってくると、その空白期間に周りの状況はかなり変わっていた。
 その当時、週末の夜になるとよく仲間内で集まって、誰かの家で遊ぶことが度々あった。
 問題は以前は麻雀とかボード・ゲーム、コンシュマ・ゲームで遊んでいたのだが、それが皆で揃いも揃ってMTGをやりはじめてしまっていたことだった。
 要するに、私が行ってもそこですることが何もないのだ。
 これはまずいなと思った。実質的にその場では仲間外れなのだから、かなり由々しき事態なのは間違いない。
 私は色々なゲームが好きだが、1人で遊ぶのは好みではない。遊ぶなら対戦ゲームが基本で、1人黙々と遊ぶタイプではなかった。だからこそゲームとしては対人型である麻雀が趣味だったのだ。
 そんな中で、或る日遂に私は意を決して、問題のゲーム、MTGに触ってみることにした。
 とは云え、何となく気恥ずかしい。まずはじっくり他の人が遊んでいるのを見ていた。
 そして何となく雰囲気が判ったところで私はMにこう云った。
 「そのゲームってそんなに面白いのか」
 「まあ、面白いから遊ぶんだろう」
 「たまには気分転換にそのゲームで遊んでみようと思うのだが、どうだろうか」
 「それなら何はともあれルールを覚えないといかんがな」
 いつものことだが、私は大概このように姑息に着地点に滑り込んでいく。周りには見透かされていたかもしれないが。
 まずは基本的なルールを教えてもらった。尤も私は実践主義、体験主義なので説明もそこそこに始めることにする。たかがゲームだ、命まで取られることはあるまい。
 最初に相手をしてくれたのはMよりも古くからの知り合いで、ここでは仮にゲと呼ぶことにする。
 私と初めてMTGで対戦したのは、ゲだった。
 無論、MTGのカードなど1枚足りとも持っていない私にゲが渡したものは、赤単色のスライだった。しかもフルコモンの親切設計であった。
 これを2つに分けて対戦、と云うよりも実際にカードに触れながらより詳しく手解きしてもらった云うほうが近いかもしれないが。
 1つのデッキを半分にしたのだから、当然ミラーマッチだ。当然、同キャラでの《スークアタの槍騎兵/Suq’Ata Lancer》のコモン環境での強さとか、基本的に《火葬/Incinerate》や《火炎破/Fireblast》と云ったインスタント火力は極力相手のターンまで引っ張るとか、オアシスで水を呑むかのように私はそれらの知識をまるで無尽蔵に吸い取る砂漠の如く学んでいった。
 そういう風に何ゲームか遊んだあとで、私はこのゲームに嵌まっていくことを確信した。案の定と云うべきか。
 因みにゲが何故フルコモンのデッキを持っていたのかと云うと、翌日が当時の沖縄MTG界のメッカとも云っても過言ではない店舗の主催する大きな大会があったからだ。
 このフルコモン限定スタンダードと云うフォーマットについては遠からず因縁があるのだが、それはまた別の機会に綴ることもあるだろう。
  
 以下次回。

●今日のけんつよ話

 明日は気力があれば、と云うより積極的に気力を振り絞ってFNMに参加したいところ。頑張れるのかどうなのかはけんつよにも判りません。
 先程、米を研ぐ手が刺すように痛いのをひしひしと感じて、沖縄の寒さももう暫くは楽しめるかなあと思いました。 

 今日はこの辺で。

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